さくら

歳は取るもの。

何度か書いたことがあるけど、私は猫を飼ってました。
 

陸3

 
名前は陸。享年20歳。
 

亡くなる2、3年ほど前から時々ふと、
「陸も歳を取ったなぁ」と思うことがあった。
 

陸はちょうど私が人生で色々と大きく変わるときに
ずーっと一緒に成長し、いてくれた。

試験勉強してる机の上にのぼってきては、
わざわざノートの上で寝てみたり、
ぐちょぐちょの恋愛をして、
酒飲んで酔っ払ってつぶれた私のお腹の上で寝てみたり、

仕事変わって精神的に疲れてる私の枕元で、
網戸をガリガリして寝不足にさせたうえに、
網戸に穴開けて脱出しやがったり。
 

陸2
いい歳して何やってんだろ。猫も残念なことに飼い主に似るのか。
 

2頭身の赤ちゃんから、しなやかな成猫になって、
その後、何年も変わらないように見えてたのに、ふと老いを感じて、
その度に、内臓がヒヤリとする思いをしたけど、

思えば陸に出会った頃から、私も随分歳を取ってて、
あんな時期もこんな時期も、一緒に乗り越えてきたんだもの、

だったら陸も歳を重ねてて当然だなと。
 

飼い始めた時期が関係してるのかもしれないけど、
陸は『同士』というか『友達』。

だから、ゆーっくりとした散歩に付き合いながら、
 

陸
 

「一緒に歳を重ねていきましょう」
と、よく思っていたものだった。

 

最近、さくら(チワワ ♀ もう6歳まだ6歳)が、
散歩から帰ってくると、とてもよく眠るようになった。
 

さくら
 

うちのチワワーズはとても眠りが浅くて、
私たちが少しでも動くと「オヤツ?」(違うよ)と、近寄ってくる。
それはさくらのほうが強くて、夜中でも
寝てたのにニョキニョキニョキと毛布から出てきてくれるから、
申し訳ない思いで、夜中トイレに行く。
 

そんなさくらが最近散歩後は、
布団に潜ったまま、ずーーーっと眠り続ける。
 

ただ、眠いだけなのかもしれない。
昼よりも夜のほうが、
オヤツゲット率が高いからサボってるだけなのかもしれない。
歳とは関係ないことなのかもしれない。

 
でも、そういうことが気になってしまう。
 

さくらは私がもう十分にいい歳になってから迎えたからか、
ずーっと『子供』というか、むしろ『赤ちゃん』という気さえしてる。

ちっちゃなちっちゃな赤ちゃんだったのに、
 

さくら2
 

一緒に老いていくどころか、
いつの間にか私を越えていってしまう。
 

ただ、私は陸と一緒に過ごして、
そして、陸とお別れをしたこととで、

ひとつ覚悟をしてることがある。

 
陸4

 
それは驚くほど『きつい』ということ。

どんな別れであれ、いつかは時が癒してくれるとはいえ、
そのときは、想像より以上、絶対にきつく辛い。

 
出会えなければ過ごすことができなかった、
こんな色んな毎日をもらってるんだもの。

さくらと陸

きつくないなんて、
さすがにそこまで虫のいいことは考えてないよ。

ただ、覚悟はしてるけど、覚悟はできてないんだよなぁ。
 

 

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