歳は取るもの。
何度か書いたことがあるけど、私は猫を飼ってました。
名前は陸。享年20歳。
亡くなる2、3年ほど前から時々ふと、
「陸も歳を取ったなぁ」と思うことがあった。
陸はちょうど私が人生で色々と大きく変わるときに
ずーっと一緒に成長し、いてくれた。
試験勉強してる机の上にのぼってきては、
わざわざノートの上で寝てみたり、
ぐちょぐちょの恋愛をして、
酒飲んで酔っ払ってつぶれた私のお腹の上で寝てみたり、
仕事変わって精神的に疲れてる私の枕元で、
網戸をガリガリして寝不足にさせたうえに、
網戸に穴開けて脱出しやがったり。
いい歳して何やってんだろ。猫も残念なことに飼い主に似るのか。
2頭身の赤ちゃんから、しなやかな成猫になって、
その後、何年も変わらないように見えてたのに、ふと老いを感じて、
その度に、内臓がヒヤリとする思いをしたけど、
思えば陸に出会った頃から、私も随分歳を取ってて、
あんな時期もこんな時期も、一緒に乗り越えてきたんだもの、
だったら陸も歳を重ねてて当然だなと。
飼い始めた時期が関係してるのかもしれないけど、
陸は『同士』というか『友達』。
だから、ゆーっくりとした散歩に付き合いながら、
「一緒に歳を重ねていきましょう」
と、よく思っていたものだった。
最近、さくら(チワワ ♀ もう6歳まだ6歳)が、
散歩から帰ってくると、とてもよく眠るようになった。
うちのチワワーズはとても眠りが浅くて、
私たちが少しでも動くと「オヤツ?」(違うよ)と、近寄ってくる。
それはさくらのほうが強くて、夜中でも
寝てたのにニョキニョキニョキと毛布から出てきてくれるから、
申し訳ない思いで、夜中トイレに行く。
そんなさくらが最近散歩後は、
布団に潜ったまま、ずーーーっと眠り続ける。
ただ、眠いだけなのかもしれない。
昼よりも夜のほうが、
オヤツゲット率が高いからサボってるだけなのかもしれない。
歳とは関係ないことなのかもしれない。
でも、そういうことが気になってしまう。
さくらは私がもう十分にいい歳になってから迎えたからか、
ずーっと『子供』というか、むしろ『赤ちゃん』という気さえしてる。
ちっちゃなちっちゃな赤ちゃんだったのに、
一緒に老いていくどころか、
いつの間にか私を越えていってしまう。
ただ、私は陸と一緒に過ごして、
そして、陸とお別れをしたこととで、
ひとつ覚悟をしてることがある。
それは驚くほど『きつい』ということ。
どんな別れであれ、いつかは時が癒してくれるとはいえ、
そのときは、想像より以上、絶対にきつく辛い。
出会えなければ過ごすことができなかった、
こんな色んな毎日をもらってるんだもの。
きつくないなんて、
さすがにそこまで虫のいいことは考えてないよ。
ただ、覚悟はしてるけど、覚悟はできてないんだよなぁ。