全てを忘れても。
あぁ、そういえば忘れてたなぁ。
うちのチワワ(ハヤテ ♂ 5歳)が、
方向転換できない男
だということを。
わたくし、本当に軽~い気持ちで、
「もうちょっと歩こうか」と
ハヤテを散歩に誘ったのに(→コチラ)、
ある程度の高さまで来たから、
記念撮影をして、「さぁ、帰ろう」と近づくと逃げていく。
おい。
「まだ、歩き足らないのか」
チワワ想いの飼い主としては、想いを叶えてあげたいところ。
じゃあ、もうちょっとと付き合ってたんだけど、
段々、斜面の角度が厳しくなってくる。
そして段々、ハヤテも厳しくなってくる。
私の呼吸は、どんどんどんどん荒くなっていく。
目の前をトコトコ進んでいくのは、
本当に『チワワ』なのか?
という疑問を何度も胸の内で繰り返す。
ハヤテはチワワで大丈夫なのか。
チワワに追いつけない私の体力は大丈夫なのか。
今現在の私の酸素量は大丈夫なのか。
私の会社での立ち居地は、あんな感じで大丈夫なのか。
休憩して軽食を食べてる人をよそ見。
余裕すぎるハヤテに比べ、
もう暑いのと疲れたのとで、ただただ頂上(でなければハヤテがやめてくれるの)を
朦朧としながら目指すのみ。
(だって、この高さまで来てる人って、ちゃんとリュック背負って、
それなりの格好してて、普段着な私が逆に恥ずかしいわ)
でも
途中、私より10歳ぐらい上のご夫婦に、
「ワンちゃんもがんばってる。がんばれ~」
という声をかけてもらったんだけど、
間違いなくがんばってるのは私です。
とか思いながら、たどり着いた空は、
とてつもなく青くてきれいだった。
ハヤテの目には、どう見えてるのかわかんないけど、
私、もうここに座り込んで『乾杯』したいぐらいだよ。
若い山の緑と、空の青、目の端にちっこいハヤテ。
色んなことを忘れても、この光景だけは覚えてたいなぁ。
この後、この角度を降りなくちゃいけないとしても。
しかも飼い主としては嬉しいことに、
この強制山登りのせいでおかげで、
ハヤテの新たな一面を知ることができた。
うちのハヤチェってば、
山は下れない。
ちっとも歩かねぇ。
だって、
急な斜面で何度も滑って冷や汗をかきながら、
足元で石がコロコロと転がり落ちてくの見つつ、
ハヤテを落とさないように転ばないようにと、
カニを真似て横歩きして、
やっと平地にたどり着き、
ハヤテを降ろしたら・・・。
やっぱりね。
それでもやっぱり、
悔しいけど、また一緒に登ってください。